
株式会社ビズリーチが、採用管理システム『HRMOS採用』で、面接官の評価コメントまでAIが読み込み、候補者に合う社内の別の求人を提案する機能の提供を始めました。
不合格者やオープンポジション応募者への『他ポジション案内』は、採用担当者の経験と社内求人の把握度に左右されやすい業務です。
求人の作成、書類の判定に続く第2弾のAI機能として見ると、HRMOS採用のAIが選考の流れに沿って工程を1つずつ埋めにきていることが見えてきます。
出典
- 株式会社ビズリーチ プレスリリース『HRMOS採用「AI求人提案アシスト」機能を提供開始』(2026年10月20日、PR TIMES)
- 株式会社ビズリーチ プレスリリース『HRMOS採用、ビズリーチのノウハウを搭載したAI機能を続々提供〜第1弾は「求人自動生成」機能と「書類判定アシスト」機能〜』(2026年3月13日)
- HRMOS採用 サービスサイト
この記事の要点
- 新機能は、レジュメに加えて面接官の定性的な評価コメントもAIが解析し、合う社内求人を推奨理由つきで1〜2分で示す
- 狙いは、他ポジション案内の判断と求人選定の『属人化』をなくし、求人提案を標準化すること
- 第1弾の求人作成・書類判定と合わせ、HRMOS採用のAIは『求人づくり→書類選考→選考後の再マッチング』と選考の流れに沿って広がっている
ビズリーチとは
株式会社ビズリーチは、2009年4月から『キャリアに、選択肢と可能性を』をミッションにインターネットサービスを運営している会社です。
転職サイト『ビズリーチ』、人財活用プラットフォーム『HRMOS(ハーモス)』シリーズ、OB/OG訪問ネットワーク『ビズリーチ・キャンパス』、『社内版ビズリーチ by HRMOS』などを展開し、Visionalグループの中でHR Techのプラットフォーム・SaaS事業を担っています。
HRMOSシリーズは、採用管理の『HRMOS採用』を入口に、タレントマネジメント・勤怠・経費・労務給与までをそろえています。HRMOS採用は、面接日程の調整やデータ集計などの定型業務を効率化し、採用の全工程をシステム内で完結できるATS(採用管理システム)です。
何が起きたか
株式会社ビズリーチは2026年10月20日、HRMOS採用で『AI求人提案アシスト』機能を10月13日から提供していると発表しました。HRMOS採用のAI機能の第2弾で、特許出願中です。
オープンポジションへの応募や、別ポジションの紹介を検討するときに、候補者のレジュメと面接時の評価データをAIが解析し、マッチ度の高い求人を具体的な推奨理由とともに示します。
リリースが挙げる特長は次の3つです。
| 特長 | 内容(リリースより) |
|---|---|
| 面接評価まで含めた解析 | レジュメだけでなく、選考の過程で面接官が入力した定性的な『選考評価コメント』もAIが解析する |
| 提示理由の明確化 | 『なぜその求人がマッチすると判断したのか』という具体的な根拠を示す |
| 短時間で結果表示 | あらかじめ条件を設定しておけば、数ステップの操作で、1〜2分で求人を提示する |
想定している利用場面は、『オープンポジション応募時』『合格判定時』『選考途中でのポジション変更検討時』の3つです。
背景にある2つの課題
リリースは、中途採用市場では自社に合う人材との出会いが年々難しくなっているとしたうえで、オープンポジションでの募集や、特定の求人で不合格になった候補者への他ポジションの再案内を『採用機会の最大化につながる有効なアプローチ』と位置づけています。
そのうえで、課題を2つ挙げています。
- 多くの求人の中から候補者のスキルや経験に合う求人を、1つずつ目視で読み込んで確認する工数が大きい
- 他ポジションを案内するかどうかの判断や、提案する求人の選定が、採用担当者個人の経験値・保有する情報量・主観に依存する『属人化』
この2つに対し、ビズリーチが17年にわたって蓄積してきたマッチングのノウハウとAI技術を掛け合わせ、『求人提案の標準化』を掲げています。
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トラキャリの視点:HRMOS採用のAIは、選考の流れに沿って工程を埋めている
第1弾は『求人をつくる』と『書類を見る』
2026年3月に発表された第1弾は、2つの機能でした。
- 求人自動生成: 採用したい人物のイメージを短い言葉で入力すると、AIが職種や必要なスキルのキーワードを提案し、選んだ内容から採用背景・業務内容・求める人物像までを含む求人を生成する
- 書類判定アシスト(2026年1月リリース): 履歴書や職務経歴書をAIが読み込み、登録した必須要件・歓迎要件(最大10件)にどの程度合っているかを解析・判定する
第1弾のリリースは、これらを『AI活用機能提供の第1弾』とし、今後もAI機能を継続的に拡充する予定だとしていました。
第2弾は『選考のあと』に入ってきた
第1弾と今回を並べると、AIが入った工程は次のようになります。
| 選考の工程 | AI機能 |
|---|---|
| 求人をつくる | 求人自動生成 |
| 応募書類を見る | 書類判定アシスト |
| 面接の評価をもとに、別の求人につなぐ | AI求人提案アシスト |
第1弾は、1つの求人に対して『求人を書く』『応募者が要件に合うかを見る』という、求人ごとに閉じた工程でした。
今回の機能は、ある求人の選考で得た情報を、社内の別の求人に向け直す工程です。1人の候補者と複数の求人を横に見比べる作業で、社内の求人を広く把握している担当者ほど得意だった領域に、AIが入ってきた形です。
材料が『面接官の評価コメント』である意味
今回の機能でもう1つ特徴的なのは、解析の材料に、面接官が選考の途中で入力した定性的な評価コメントを含めている点です。
レジュメは候補者が書いたものですが、評価コメントは企業側が面接で見て書き残したものです。応募から選考までの記録を1か所に集めるATSの中にたまっていく情報です。
リリースが『採用機会の最大化』と『属人化の解消』を並べて掲げていることからも、ビズリーチは、選考で一度生まれた候補者との接点を、担当者の記憶や経験に頼らず社内の別の求人へつなげる仕組みとして、この機能を位置づけていると読めます。
打診先を探す手間と判断のばらつきが減れば、1人の応募者を複数の求人で検討する動きは、企業側で取り入れやすくなるとも考えられます。
関連動向:ATSに投資を続けるビズリーチ
HRMOS採用のサービスサイトでは、『ビズリーチのノウハウが凝縮されたAI搭載』を前面に出しており、AI機能そのものを製品の打ち出しの中心に置いています。
ビズリーチは2026年10月8日にも、HRMOS採用が有償ATS主要13社を対象とした調査で累計導入社数・売上シェアともにNo.1になったと発表しています。sonar ATSを展開するThinkings株式会社の買収や、テレビCMなど投資を続けるビズリーチのATS戦略は、ATSで先頭に立ったHRMOS採用──ビズリーチが投資を緩めない理由で詳しく読み解いています。
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「HRMOS採用、面接評価から別の求人を提案するAI」 ビズリーチは2026年10月20日、採用管理システム「HRMOS採用」の「AI求人提案アシスト」機能を10月13日から提供していると発表した。 候補者のレジュメに加え、面接官の評価コメントまでAIが解析し、マッチ度の高い社内の求人を推奨理由つきで1〜2分で示すという。背景には、他ポジションの案内や求人選びが担当者の経験や主観に頼る「属人化」があるとする。 別ポジションへの打診は、社内の求人をどれだけ知っているかで担当者ごとに差が出やすかった。 打診先を探す手間と判断のばらつきが減れば、1人の応募者を、複数の求人で検討する動きは、企業側で増えやすくなると読める。 候補者を集めるだけでなく、集まった候補者を社内のどの求人に結びつけるかまでATSが支える範囲に入ってきたとも読める。 #HR #HRテック #ATS #採用管理システム #中途採用 #ビズリーチ #HRMOS

「AI面接のPeopleX、セキュリティ人材の育成に参画」 株式会社PeopleXが2026年10月7日に発表した。11月に提供を始める予定の人材開発支援サービス「PeopleX AIアセスメント&ラーニング」では、第1弾のAIスキル分野に続く第2弾として、新たにデジタル・サイバーセキュリティ分野を加える。その背景には、政府が2026年7月に閣議決定した「日本成長戦略」の「17の戦略分野」がある。同社はセキュリティを、AI・半導体分野に次ぐ大規模な投資が見込まれる分野と位置づける。 PeopleXはこれまで、AI面接やAIロープレなど、採用や営業の現場向けAIプロダクトが軸だった。今回の拡大で、社員のスキルを測定し、それを学習につなげる「育成」の領域にも踏み込む。政府の戦略分野に沿って対象を選ぶ点も特徴だ。同社は今後も対応分野を順次広げていく方針で、セキュリティは、その2つ目という位置づけだ。AI面接の会社から人事領域を広く扱うAI企業へと事業の幅を広げようとする動きとしても読める。 #HR #HRテック #人事 #人材開発 #リスキリング #サイバーセキュリティ #PeopleX

「jinjer、ARR100億円を突破 次は2028年に200億円」 jinjer株式会社は2026年10月14日、同年9月末のARR(年間経常収益)が100億円を突破したと発表。人事労務・勤怠・給与・評価・サーベイを1つのデータベースで管理する構造が、導入の拡大と継続利用につながったとする。次の目標として2028年のARR200億円を掲げる。成長の柱には、3月に買収した採用管理システム「Talentio」と、M&A・アライアンスを挙げた。 ARRを倍にする計画の達成手段として、自社の開発に加え、M&Aを正面に据えた点が目を引く。自社で一から開発するよりも速く伸びるために、他社の買収や提携を積極的に進めるという。リリースでは、HRテック業界の再編を自ら引っぱる姿勢も打ち出した。採用管理の買収で、採用から退職までのデータをつなぐ体制も整えた。jinjerは機能の数よりも、人事データをどこまで1つの基盤にまとめるかで勝負しようとしているとも読める。 #jinjer #HRテック #人事システム #SaaS #トラキャリ
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