
物流DXのハコベルが、ドライバー採用支援を自社で広げる理由
ドライバー人材の紹介・派遣を手がける株式会社カラフルと、運送マッチング・物流DXのハコベル株式会社が、ドライバー人材支援で業務提携し、互いの求人情報の連携を始めました。
ハコベルにとっては、2025年2月に始めた採用支援サービス『ハコベルキャリア』を、外部の専門事業者と組んで広げる一手になります。
物流DXの会社が、なぜ採用支援を自社の事業として育てているのか。本業で築いた運送企業とのつながりから読み解きます。
出典
- 株式会社カラフル プレスリリース「カラフルとハコベルがドライバー人材支援において業務提携、求人連携を開始」(2026年9月28日・PR TIMES)
- ハコベル株式会社 プレスリリース「物流業界向け採用支援サービス『ハコベルキャリア』にて求職者向けサイトを新たにオープン!」(2025年12月26日・PR TIMES配信/ASCII STARTUP掲載)
- ハコベル株式会社 プレスリリース「ハコベル、事業拡大に向けた資金調達を実施」(2026年1月30日・PR TIMES)
- ハコベル株式会社・株式会社enstem プレスリリース「ハコベルとenstemが提携し、『ハコベル サポーターズプログラム』にて『Nobi for Driver』を提供し、ドライバーの安全と健康支援を開始」(2023年2月1日)
この記事の要点
- ハコベルは、運送マッチングと物流DXで築いた運送企業とのつながりを土台に、2025年2月から物流特化の採用支援を自社で手がけている
- 開始から約1年半で、求職者向けサイトの開設に続き、ドライバー専門の人材会社と求人を持ち寄る段階に進んだ
- 運送会社の人手の課題に、外部サービスの紹介を通じて関わる形から、採用支援そのものを自ら担う形へと関わり方が深まっている
ハコベルとは
ハコベルは、2015年にラクスルの新規事業として始まった物流プラットフォームです。
2022年8月に、セイノーホールディングスとラクスルの共同出資会社として分社化しました。その後、山九、福山通運、日本ロジテム、日本郵政キャピタルなどの物流・金融系の企業も出資に加わっています。
事業は、運送手配のマッチングサービスと、物流DXサービスの2つが柱です。ミッションには『物流の「次」を発明する』を掲げています。
2026年1月には、主にM&Aに充てる資金調達を公表しました。
何が起きたか
カラフルとハコベルは2026年9月28日、運送業界のドライバー人材支援に関する業務提携を発表しました。
両社がそれぞれ持つ求人情報を連携し、双方の求職者に幅広く求人を紹介します。目的は、都市部から地方まで全国で続くドライバー不足の解消です。
カラフルは、関東・中部・関西・九州を中心に地域密着型のドライバー人材支援を行ってきた会社です。ノンデスクワーカー向けに、転職支援・人材派遣・求人サイトの3軸で事業を展開しています。
一方のハコベルは、約10年の運送マッチング事業と物流DXシステム事業を通じて、大手を含む全国の運送企業とのネットワークを築いてきました。
リリースでは、カラフルの各地域に根ざした支援体制と、ハコベルの運送企業とのネットワークを掛け合わせる提携だと説明しています。
背景にあるのは、少子高齢化による労働力不足と、時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)による即戦力ドライバー需要の高まりです。人手不足は都市部だけでなく、地方でも深刻だとしています。
今後は、求人連携の実績を踏まえて、対象エリアや職種の拡大、マッチングの円滑化を検討するとしています。
物流DXの会社が、採用支援を自社で広げるのはなぜか。その手がかりは、ハコベルキャリアが生まれるまでの道のりにあります。
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トラキャリの視点:運送会社との接点を『人の確保』まで延ばす
ハコベルキャリアは、ハコベル自身が2025年2月に始めた新規事業です。
物流業界に特化した人材採用支援サービスで、大手運送会社から地域の運送会社、3PL、倉庫会社までの求人を扱い、専門のアドバイザーが採用を支援します。
同社はこのサービスについて、約10年の運送マッチング事業で築いた企業ネットワークを生かし、北海道から沖縄まで幅広い求人を紹介できる点を打ち出しています。
運送マッチングや物流DXで日々接している運送会社は、そのまま採用支援の顧客にもなりえます。
ドライバー不足が運送会社の経営課題として重くなるなか、同じ顧客に提供できる価値を、配車や手配の効率化から『人の確保』にまで広げている動きと読めます。
実は、ハコベルが運送会社の人手の課題に関わるのは、ハコベルキャリアが初めてではありません。
2022年10月に始めた『ハコベル サポーターズプログラム』は、提携企業のサービスを通じて、中小規模の運送会社や個人事業主のドライバーを支える仕組みです。燃料・車両・配送資材の調達環境の整備や、経営・労働環境の支援を掲げています。
業界紙の報道によれば、2023年にはスキマバイトサービスによる採用活動の支援や、ドライバー求人サイトとの提携も、このプログラムの中で始めていました。
当初の採用領域は、提携先のサービスを会員に紹介する形だったわけです。
それが2025年には、ハコベルキャリアとして採用支援を自社で手がけるようになり、同年12月には求職者向けサイトを開設しました。
サイトでは、地域・雇用形態・保有免許・働き方などで求人を検索できるほか、同社スタッフが企業を取材して特色を紹介する『厳選企業特集』も設けています。
そして今回、ドライバー専門の人材会社と求人を持ち寄る段階に進みました。
外部サービスを紹介する立場から、採用支援を自ら担う立場へ。運送会社に対するハコベルの関わり方が、段階を踏んで深まってきたことがうかがえます。
深掘り:『個人事業主から企業での雇用へ』という打ち出し
ハコベルキャリアの打ち出しで目を引くのが、業界内の人材移動の捉え方です。
同社は、個人事業主から企業での雇用への転換を中心とした業界内での健全な人材移動を実現し、業界外への人材流出を防ぐことで、物流業界の労働力不足の解決を目指すとしています。
ドライバーを業界の中で取り合うのではなく、業界の中で働き続けられる受け皿を広げる、という発想です。
サポーターズプログラムで個人事業主のドライバーとも接点を持ってきた会社が、雇用への転換を後押しする側に立っている点は、同社の事業の広がり方を読むうえで押さえておきたいところです。
関連動向:M&Aでシステム面の手段も増やす
2026年1月の資金調達で、ハコベルは調達資金を主にM&Aに活用する方針を示しました。
あわせて、トラック予約・受付システム『トラック簿』(2024年11月承継)や、運送業務支援システム『トラッカーズマネージャー』(2025年12月承継予定と発表)を承継してきたことも明らかにしています。
システムの面ではM&Aで、人材の面ではハコベルキャリアと今回の提携で。運送会社を支える手段を、両面から増やしている最中の会社だと読めます。
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「ハコベル、ドライバー人材でカラフルと求人連携」 2026年9月28日、株式会社カラフルとハコベル株式会社がドライバー人材支援で業務提携した。両社は互いの求人情報を連携し、双方の求職者に幅広く紹介する。 ハコベルは運送マッチングと物流DXシステムの事業を通じ、全国の運送企業とつながりを持つ。2025年2月には物流特化の採用支援サービス、「ハコベルキャリア」を始めていた。背景には、2024年問題で即戦力ドライバーの需要が高まり、地方で人手不足が深刻化していることがある。 ハコベルの本業は、運送のマッチングと物流DXのシステムだ。そこで築いた運送企業との関係を、ドライバーの採用支援に転用したサービスが、「ハコベルキャリア」だ。 開始から1年半ほどで求職者向けサイトを開き、今はドライバー専門の人材会社と求人を持ち寄る段階に進んでいる。 ドライバー不足が運送企業の重い課題となる今、物流DXを手がける会社が人材ビジネスを本腰で広げようとしている動きとも読める。 #ハコベル #カラフル #物流 #ドライバー採用 #HR業界

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