人事のリモート転職は難しい?地元に住みながら経験を活かせるHR業界の3職種

人事のリモート転職は難しい?地元に住みながら経験を活かせるHR業界の3職種

目次

結婚、家族の看病、移住。生活の変化をきっかけに「地元に住みながら、リモートで人事の仕事を続けたい」と考える人は少なくありません。ところが人事の求人に絞って探すと、リモートで働ける求人は思ったほど多くないのが実情です。そこで視野に入れたいのが、お客さんが企業の人事であるHR業界のビジネス職です。本記事では、人事の経験がそのまま強みになり、リモートもしやすい3つの仕事(人事コンサルティング・HRサービスのカスタマーサクセス・採用代行)の仕事内容と向いている人、応募時に確かめるべきことを、トラキャリ取扱い求人のデータとあわせて解説します。

この記事の要点

  • トラキャリ取扱い求人のうち、人事の求人で「リモート可」は51%。人事にこだわると選べる求人は約半分になる
  • HR業界のビジネス職はお客さんが企業の人事。人事経験者はお客さんの悩みが分かり、それが強みになる
  • リモートは「今は大丈夫」ではなく、会社の制度として決まっているかを面接で確かめる

1. 地元に住みながら人事を続けたい人が増えている背景

生活の事情から地元に戻りたい人事経験者は多く、リモートで働ける仕事を探す動きも広がっています。

転職のきっかけは生活の変化

私たちトラキャリの面談でも、「地元に戻りたいので、リモートで人事を続けたい」という相談をよく受けます。きっかけとして多いのは次のようなものです。

  • 結婚を機に、パートナーの地元へ移ることになった
  • 家族の看病や介護のため、実家の近くに住む必要が出てきた
  • 子育てや暮らし方を考え、地方への移住を決めた

いずれもキャリアアップが目的の転職ではなく、生活上の事情が先にあります。だからこそ「今の仕事内容のまま、住む場所だけ変えたい」と考えるのは自然なことです。

「フルリモート」で仕事を探す人は6年で約90倍

Indeedの調査によると、仕事検索のうち「フルリモート」を含む検索の割合は、2019年3月から2025年3月の6年間で90.9倍に拡大しました。2025年3月時点では検索全体の0.8%です。都道府県別では、沖縄県・長崎県・秋田県がリモート関連の各検索割合で上位5位以内に入っています(出典: Indeed「リモートワークに関する仕事検索動向」2025年4月22日)。地方に住みながらリモートで働きたいというニーズは、数字の上でも確かに伸びています。

2. 人事の求人でリモート可は約半分

人事の求人に絞ると、リモートで働ける選択肢は半分ほどに限られます。

トラキャリ取扱い求人で見る人事のリモート可

トラキャリ取扱い求人(2026年9月時点・掲載中)のうち、人事の求人で「リモート可」は1,488件中762件、割合は51%でした。ここでいう「リモート可」は一部リモートを含み、フルリモートに限りません。つまり人事の求人だけを見ていると、最初から選べる求人が約半分に絞られ、そこからさらに「フルリモート」「地方在住OK」と条件を重ねると、候補は一気に少なくなります。

人事が出社前提になりやすい理由

人事の仕事には、入社手続き、従業員との面談、研修、労務トラブルへの対応など、社員と直接顔を合わせる場面が多くあります。社員の個人情報を扱うため、社外からのシステム利用に制限を設けている会社もあります。人事がリモートに向かないわけではありませんが、会社の中の仕事である分、出社を求められやすいのは確かです。

3. 視点を変える:お客さんが企業の人事の仕事

人事の求人だけで探すのではなく、「人事の経験が活きる仕事」まで広げると選択肢は増えます。

HR業界のビジネス職とは

HR業界とは、人材紹介、採用支援、人事コンサルティング、人事・労務のシステム(HRサービス)など、企業の「人」にかかわる課題を解決する業界です。この業界で法人向けの仕事をするビジネス職は、お客さんが企業の人事になります。社内の人事が社員に向き合う仕事だとすれば、HR業界のビジネス職は、社外から企業の人事を支える仕事です。

人事経験がそのまま強みになる理由

お客さんが人事なので、人事をやってきた人は「採用が思うように進まない」「制度を変えたいが現場が動かない」「システムを入れたが使いこなせない」といったお客さんの悩みが、自分のこととして分かります。人事の言葉で話せて、社内の決裁の流れや繁忙期も想像がつく。これは、HR業界の未経験者にはない強みです。

あなたにあった
「これからが、おもしろい企業」
一緒に探しませんか?

無料でオンライン30分キャリア面談を申し込む

4. 人事の経験が活きる3つの仕事

HR業界のビジネス職の中でも、人事の経験が特に活きやすく、トラキャリ取扱い求人で人事よりリモート可の割合が高い仕事が3つあります。

では、地元に住みながら人事の経験を活かせる仕事とは、具体的にどんな仕事なのでしょうか。まず、人事の制度づくりや採用に深く関わってきた人にいちばん近い一つ目は——

⭐️ ────【SNS転載の区切り】ここまでをXなどに転載し、続きはトラキャリ記事へ誘導 ────

職種お客さん特に活きる人事の経験
人事コンサルティング制度や採用に課題を持つ企業の人事・経営者人事制度、評価、採用計画、組織づくり
HRサービスのカスタマーサクセスHRサービスを導入した企業の人事労務、勤怠・給与、採用管理などの実務
採用代行(RPO)採用の手が足りない企業の人事母集団形成、面接調整、候補者対応

5. 人事コンサルティング

人事コンサルティングは、人事制度づくりや採用の課題を、企業の人事と一緒に解決する仕事です。

仕事内容

評価制度や等級制度の見直し、採用計画の立案、組織の課題の整理などを、お客さんの人事や経営者と進めます。課題を聞き取り、解決策を提案し、実際に制度が回るところまで伴走するのが一般的な流れです。打ち合わせや資料作成はオンラインで完結しやすく、トラキャリ取扱い求人では「リモート可」が82%(119件中97件)と、3職種の中で最も高い割合でした。

活きる経験と向いている人

人事制度の設計や運用、評価の取りまとめ、採用計画づくりの経験がそのまま活きます。制度を作る側の苦労を知っているので、お客さんの「理想はわかるけれど現場が回らない」という事情にも寄り添えます。課題を整理して言葉にするのが得意な人、人事全体を俯瞰して考えるのが好きな人に向いています。

6. HRサービスのカスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、HRサービスを導入した企業の人事が使いこなせるまで伴走する仕事です。

仕事内容

勤怠管理、給与計算、採用管理、人事評価などのHRサービスを導入した企業に対して、初期設定の支援、使い方の説明、運用の改善提案を行います。目的は「契約してもらうこと」ではなく、お客さんがサービスを使って成果を出し、使い続けてもらうことです。サポートの多くはオンライン会議やチャットで行われます。

活きる経験と向いている人

労務や給与、勤怠の実務をやってきた人は、「月末の締めで困るのはここ」「この設定だと現場が混乱する」といった実務の勘所が分かります。システムを入れる側として苦労した経験は、お客さんの信頼につながります。仕組みを整えるのが好きな人、相手のつまずきに先回りして手を打てる人に向いています。

あなたにあった
「これからが、おもしろい企業」
一緒に探しませんか?

無料でオンライン30分キャリア面談を申し込む

7. 採用代行(RPO)

採用代行(RPO)は、企業に代わって採用活動を進める仕事です。

仕事内容

求人票の作成、求人媒体の運用、スカウト送信、応募者対応、面接の日程調整、採用状況の報告など、企業の採用業務の一部または全体を引き受けます。チームで複数の企業を担当することが多く、応募者とのやり取りや企業との定例会議もオンラインで行いやすい仕事です。トラキャリ取扱い求人では「リモート可」が59%(86件中51件)でした。

活きる経験と向いている人

中途採用や新卒採用を担当してきた人は、即戦力として動きやすい職種です。採用の数字を追い、現場と候補者の間に立って調整してきた経験は、そのまま業務の中心になります。複数の案件を同時に進めるのが得意な人、数字を見ながら打ち手を変えられる人に向いています。

8. 3職種のリモート可の割合を比べる

トラキャリ取扱い求人では、3職種とも人事よりリモート可の割合が高くなっています。

トラキャリ取扱い求人のデータ

職種リモート可の割合件数
人事コンサルティング82%97/119件
カスタマーサクセス61%563/929件
採用代行(RPO)59%51/86件
人事51%762/1,488件

出典: トラキャリ取扱い求人(2026年9月時点)。カスタマーサクセスはHRサービス以外の会社も含む全体の値です。

「リモート可」と「フルリモート」は違う

ここでの「リモート可」には、週に数日の出社がある働き方も含まれます。カスタマーサクセスは、コロナ禍を境にテレワークできる求人が大きく増えた職種の一つで、dodaの調査では、インサイドセールス・カスタマーサクセスの求人のうちテレワーク可能な求人の割合が、2019年1月の18.8%から2022年1月には75.1%に上がりました(出典: パーソルキャリア「doda」2022年2月24日)。ただし、これは求人票の文言で判定した当時の数字です。地元に住みながら働くなら、求人ごとに出社の頻度まで確かめる必要があります。

9. 応募前・面接で確かめること

リモートで長く働けるかは、会社の制度として決まっているかどうかで決まります。

制度として決まっているかを確認する

確認すること見るポイント
規程への記載就業規則やテレワーク規程にリモート勤務が書かれているか
住む場所通勤圏外に住むことが認められているか
出社のルール出社が必要な頻度と場面、交通費や宿泊費の扱い
実際の例地方に住んでリモートで働く社員がいるか、何年続いているか
評価リモートで働く人が評価や昇格で不利にならないか

同じ会社の中でも、職種によってルールが違うことがあります。部署ごとに出社推奨日を設ける会社もあるため、応募する職種・部署のルールを確かめましょう。

「今は大丈夫」だけでは続かない理由

面接で「今はみんなリモートで働いていますよ」と言われても、それが上司の判断や一時的な運用であれば、上司が替わったり会社の方針が変わったりしたときに出社を求められることがあります。地元に移ってからでは、簡単には対応できません。面接では「リモート勤務は規程で定められていますか」「遠方に住んでいる社員はいますか」と具体的に聞き、内定時には条件を書面で確認しておくと安心です。

あなたにあった
「これからが、おもしろい企業」
一緒に探しませんか?

無料でオンライン30分キャリア面談を申し込む

10. 職務経歴書・面接での伝え方

人事の実績は、HR業界では「お客さんの課題を解決できる力」として伝えると評価されやすくなります。

人事の実績をお客さんの目線で言い換える

たとえば「評価制度の改定を担当した」は、「現場の反発を受け止めながら、評価制度を半年で定着させた」と、プロセスと結果まで書くと、お客さんに伴走できる力として伝わります。採用担当なら、採用人数だけでなく「応募が集まらない職種で求人内容をどう見直したか」まで示しましょう。

志望理由を「地元に住みたい」だけにしない

リモートを希望する事情は正直に伝えてかまいません。ただし志望理由がそれだけだと、仕事そのものへの意欲が伝わりにくくなります。「人事として悩んだ経験を、今度は多くの企業の人事のために活かしたい」と、HR業界を選ぶ理由を自分の経験と結びつけて話しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 人事の経験が浅くてもHR業界のビジネス職に転職できますか?

可能性はあります。採用代行やカスタマーサクセスは、人事の実務を一部でも経験していれば、お客さんの業務を理解している点が評価されやすい職種です。担当した業務を具体的に書き出し、どの経験がお客さんの支援に活きるかを整理して伝えましょう。

Q2. フルリモートの求人だけに絞って探すべきですか?

絞ることもできますが、候補がかなり少なくなります。月に数回の出社や出張なら対応できるかを先に決めておくと、選択肢が広がります。そのうえで、出社の頻度や交通費の扱いが制度として決まっているかを求人ごとに確かめるのがおすすめです。

Q3. 3つの仕事で、人事の経験が一番活きるのはどれですか?

経験によって変わります。人事制度や評価に関わってきた人は人事コンサルティング、労務や給与などの実務が長い人はHRサービスのカスタマーサクセス、採用担当として動いてきた人は採用代行が近いでしょう。自分が一番深く関わった人事の仕事から考えると選びやすくなります。

Q4. HR業界に移ったら、事業会社の人事には戻れませんか?

戻る道もあります。HR業界で多くの企業の人事課題に触れた経験は、事業会社の人事でも「他社の事例を知っている人」として評価されることがあります。人事コンサルティングや採用代行で身につけた課題整理や採用の知見は、人事責任者を目指すうえでも活きます。

Q5. 面接でリモートの条件を聞くと、印象が悪くなりませんか?

聞き方を工夫すれば問題ありません。「地元に住みながら長く働きたいので、制度として確認させてください」と、長く働く前提で質問すれば前向きに受け取られやすくなります。確認を避けて入社後に条件が合わない方が、会社にとってもあなたにとっても損失です。

関連するHR業界の企業・求人・ニュース

人事の経験を活かしてリモートや地方で働くことを考えるうえで参考になる、公開情報で確認できるHR業界の企業とデータをまとめます。

企業名事業・特徴出典
株式会社SmartHR人事労務のクラウドサービスを提供。採用サイトでは、ビジネス・コーポレート職は「リモートワーク可、出社日数の指定なし(部署で出社推奨日を設けることがある)」、居住地は国内のみと公開採用サイト 働く環境
株式会社キャスター採用代行サービス「CASTER BIZ 採用」を提供。2023年7月の発表時点で「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げていた公式プレスリリース
リージョンズ株式会社北海道・宮城・栃木・茨城に特化し、UIターン転職と地域企業の採用を支援する人材紹介会社公式サイト

データ・ニュース

  • 2025年4月22日:Indeedが、「フルリモート」を含む仕事検索の割合が6年で90.9倍になったと発表(Indeed)
  • 2022年2月24日:dodaが、インサイドセールス・カスタマーサクセスでテレワーク可能な求人が3年で約4倍になったと発表(PR TIMES)

同じ「リモート可」でも、会社や職種によって出社のルールは異なります。気になる会社は、採用サイトで働き方の制度を確認してみましょう。

あなたにあった
「これからが、おもしろい企業」
一緒に探しませんか?

無料でオンライン30分キャリア面談を申し込む

まとめ

地元に住みながらリモートで人事の経験を活かしたいなら、人事の求人だけに絞らないことが第一歩です。トラキャリ取扱い求人では、人事の求人で「リモート可」は51%にとどまる一方、人事コンサルティングは82%、カスタマーサクセスは61%、採用代行(RPO)は59%と、いずれも人事より高い割合でした。

HR業界のビジネス職はお客さんが企業の人事です。人事として悩み、工夫してきた経験は、お客さんの悩みを理解する力としてそのまま強みになります。制度づくりの経験なら人事コンサルティング、労務や給与の実務ならカスタマーサクセス、採用の経験なら採用代行と、自分の経験に近い仕事から検討してみてください。

応募するときは、リモートが会社の制度として決まっているかを必ず確かめましょう。「今は大丈夫」だけでは、上司や方針が変わったときに続かないことがあります。規程への記載、住む場所の条件、出社のルールまで確認し、地元での暮らしと仕事を長く両立できる会社を選ぶことをおすすめします。

SNSでHR業界の情報発信中

無料でオンライン30分