ファインディが『採用する側』に向けたメディアを新設した狙い

ファインディが『採用する側』に向けたメディアを新設した狙い

目次

ファインディ株式会社が2026年9月、エンジニア採用に取り組む人事・開発・経営に向けた専門メディア『エンジニア採用Lab by Findy』を立ち上げました。

エンジニア向け・開発組織のマネージャー向けに続き、『採用する側』に向けた発信の場をそろえた形です。

編集担当が自ら書いた立ち上げの背景からは、ファインディが誰に向けて何を届けようとしているのかが見えてきます。

出典

この記事の要点

  • ファインディは、エンジニア採用を『人事・開発・経営の総力戦』と捉え、その3者を読者に据えたメディアを新設した。
  • 同社のメディアは、エンジニア本人・開発組織のマネージャー・採用する側と、読者ごとに分かれて並ぶ形になった。
  • 転職支援から採用・育成・組織づくりへ広がる事業の範囲と、メディアの読者設定が重なって見える。

ファインディとは

ファインディ株式会社は、ハイスキルなエンジニアと企業をマッチングする転職サービス『Findy』を中心に、エンジニア領域に特化して事業を展開する会社です。

2014年2月に設立され、本格的な事業開始は2016年7月。従業員数は478名(2026年1月時点、有期雇用社員を含む)です。

転職サービスのほか、フリーランスエンジニア向けの『Findy Freelance』、開発組織のパフォーマンスを可視化する『Findy Team+』、開発ツールのレビューサイト『Findy Tools』、テックカンファレンス事業を展開しています。

2026年10月1日の同社発表では、累計導入企業数は約5,600社、エンジニアとの接点は約30万人とされています。

何が起きたか

ファインディは2026年9月、Webメディア『エンジニア採用Lab by Findy』をローンチしました。

サイトに掲げたコンセプトは『エンジニア採用の実践知をつなぎ、学び合う』。『エンジニア採用に取り組む、人事・開発・経営のための専門メディア。各社の実践事例や有識者の知見、データを通じ、エンジニア採用の次なる一手を考えます』と説明しています。

立ち上げの背景は、メディア方針やターゲット設定を担う編集担当が、9月9日にnoteで公表しました。

編集担当はこの2年間、転職サービス『Findy』で掲載企業のインタビューや求人特集を制作してきた立場から、採用に成功する企業の共通点を『エンジニア採用を人事に任せきりにせず、開発部所属のエンジニア・PdM・EM、さらに経営を行うCTO・CHROまでもが一体となって本気で取り組んでいること』と書いています。

一方で、試行錯誤のなかで得た各社の知見は『企業や担当者の中にとどまりがち』だという問題意識もあり、これが立ち上げの動機になっています。

コンテンツはインタビュー、寄稿、解説記事に加え、オンライン・オフラインのセミナーも予定されています。

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トラキャリの視点:読者を『人事・開発・経営』の3者に置いた意味

このメディアでまず目を引くのは、読者を人事担当者に限っていない点です。

エンジニア採用Labは、人事担当者に加えて開発現場のエンジニアやEM、CTO・CHROといった経営層までを読者に含めています。

編集担当のnoteには、その理由がそのまま書かれています。

採用手法が求人広告や人材紹介という『待ちの採用』からダイレクトリクルーティングという『攻めの採用』へ移ってきたことに加え、エンジニア採用ではリファラル、カジュアル面談、採用広報といった現場エンジニアの力が欠かせない施策や、給与水準の見直し、AIへの予算投下といった経営判断まで含まれる、という整理です。

採用を『人事の仕事』ではなく『組織全体の仕事』として扱う会社の見方が、読者設定にそのまま表れていると読めます。

メディアの並びから見えるファインディの解像度

もう1つの読み筋は、ファインディのメディア群の並びです。

同社の公式サイトでは、エンジニア向けのメディアと、CTO/VPoE/EMなどエンジニアリング組織のマネージャー向けのメディアがすでに紹介されています。

ここに採用する側向けのエンジニア採用Labが加わったことで、エンジニア本人・開発組織を率いる人・採用を担う人と、エンジニアを取り巻く立場ごとに発信の場がそろいました。

ファインディは、エンジニアのキャリア、開発組織の運営、採用の実務と、エンジニアリングに関わる複数の立場とそれぞれ接点を持とうとしているとも読めます。

10月1日のビジョン刷新でも、事業領域は転職支援から採用・育成・組織づくり・開発プロセス・AI活用支援へ広がったと説明されています。

職種をエンジニアに絞りながら、その周囲にいる人へ接点を広げていく。エンジニア採用Labは、そうした事業の広がり方を映す1つの動きと考えられます。

編集担当の発信から見える会社の文化

立ち上げの思いを、編集担当本人が自分の言葉でnoteに書いている点も、この会社を知る手がかりになります。

noteでは、同社がエンジニアのためのイベントやコミュニティ支援を通じて、エンジニア同士が学び合う場を提供してきたことが前提として書かれています。

OSSやコミュニティ活動で互いに学び合うエンジニアをお手本に、HR・採用分野でも成功や失敗を共有する場所を作りたい、という発想です。

エンジニアの文化を採用の領域に持ち込もうとする姿勢は、エンジニア特化で事業を積み上げてきた会社らしい打ち出し方とも読めます。

関連動向:事業開始10年のビジョン刷新

ファインディは2026年10月1日、事業開始10年の節目としてコーポレートビジョンを刷新しました。

従来の『挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。』から、『人とAIで、つくる力を進化させる。Power to Engineering』へ転換しています。

リリースでは、今後の方針として次のような取り組みが挙げられています。

  • AI時代のハイスキル人材マッチングの強化(『Findy Expert』の提供)
  • フィジカルAI領域への参入(『Findy HardTech』の開始)
  • 『Findy AI+』β版のリリース予定(2026年12月)
  • 『開発資本スコア』の提供開始(2026年10月2日)

対象を『つくる人』『つくる組織』『つくる営み』へ広げ、製造・金融・インフラなどの基幹産業への支援も広げる方針です。

エンジニア採用Labの立ち上げとビジョン刷新はそれぞれ別の発表ですが、エンジニアの周辺にいる人や組織まで視野に入れる方向性は共通しています。

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