
コミューン「55億円調達」、その「本当の狙い」──コミュニティSaaSの先にある「信頼起点経営」への全貌
企業と顧客・従業員の関係性(CX/EX)が事業成長の鍵となる中、「信頼の構築」は経営の最重要課題となっています。今、この市場課題に対し、CXとEXを統合する独自の戦略で挑むのがコミューン株式会社です。2025年9月に合計55億円の大型資金調達を発表。同社は今、「信頼起点経営SaaS群」を軸としたグローバル展開を本格化させる「第二創業期」という重要なフェーズを迎えています。 事業に資するHR人材を志向する方に向けて、成長産業、成長企業の実態に迫ります。
55億円調達で「第二創業期」へ。信頼起点経営の多角化
コミューンを今取り上げる理由は、2025年9月に発表された合計55億円のシリーズC資金調達にあります。
SaaS業界では、NPSやLTVなどの単発指標では測れない「企業と顧客の関係性」をどのように定量化するかが課題とされ、そこに「Trust Score」を組み込むアプローチが拡大しています。
コミューンの55億円調達は、この「トラスト指標を扱うSaaS」の中でも最大規模にあたります。
今回の調達では、既存投資家全社が追加出資を行いました。
同時に、同社は「信頼起点経営」を実現する複数の新プロダクト群を発表し、CEOが主導する北米展開においても、MRR(月次経常収益)は前年比490%増を記録しています。
これらの動きにより、コミューンはコミュニティツール提供企業から、「信頼」を軸とする経営プラットフォーム企業へと事業構造を転換する局面を迎えています。

(出典:コミューン Recruiting Deck)
MRR 600%増。エンタープライズに選ばれる実績
コミューンは非上場企業であるものの、その成長動向は主要KPIから確認できます。
特に注目されるのは、ARR(年間経常収益)の基盤となるMRR(月次経常収益)です。
2021年9月の前回調達以降、MRRは600%(約7倍)に増加しました。
この成長は、エンタープライズ(大企業)顧客の増加と、複数サービスの併用によって支えられています。
導入企業にはサントリーHD、日産自動車、パナソニック、資生堂などの大手企業が含まれます。

(出典:コミューン Recruiting Deck)
顧客企業の約25%はコミュニティ構築だけでなく、VoC分析やイベント支援など複数のプロフェッショナルサービスを併用しており、導入件数は前年比190%増。ツール提供に留まらない伴走支援の価値が顧客企業から高く評価されていることが分かります。
大企業の導入が進むにつれ、コミュニティ参加者の平均アクティブ率は67%→81%へ上昇しまし“参加者をファン化させる”プロセスが、事業成果に直結していることを示しています。
さらに、導入企業の8割が複数のSaaSを同時活用しており、一社あたりの平均契約単価は前年比+145%と継続的な拡大傾向を示しています。
| 指標(KPI) | 実績・変化 | 備考(期間等) |
|---|---|---|
| 月次経常収益(MRR) | +600%成長 | 2021年9月~2025年9月 |
| 米国市場のMRR成長率 | +490%成長 | 2024年~2025年(前年比) |
| 累計コミュニティ登録者数 | 100万人超 | 2025年時点累計 |
| 累計集積されたユーザーの声 | 500万件超 | 2025年時点累計 |
| プロサービス導入件数 | 前年比+190% | 2025年 vs 2024年 |
| 従業員数 | 約180名 | 2025年時点 |
| 最終資金調達額 | 55億円 | 2025年9月 |
市場は"信頼"の構築へ。代替手段の限界が追い風
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